「は?」
僕は、何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
桐ヶ谷さんの話は続く。
「私はそうは思いません。だって、やっていない証拠を見つけるのはそんなに難しいことじゃないって思っているから」
「どうやって見つけるつもりです?」
僕は問いかける。
彼女は言った。
「実は『どんなことでも解決に導く』名探偵とタッグを組むことになったんです!!」
……まさかの人頼り!?
「いやいや、人に頼るってのはどうかと思いますけれど」
「でも、見つからないよりかはマシでしょう?」
そうなのだろうか。
いや、その人がどう考えているかによると思うのだけれど……。
「とにかく、私としてはその人が居るから問題無い! と言う訳なんですけれど……」
「…………その人は、何処へ?」
「別の仕事が忙しいから、って言ってちょっと遅く来るんですよね……三日ほど」
それ、遅く来るの域超えてない?
「まあ、良いんです! その間にもし何か進展があれば教えてくれ、って言ってくれたんですから! 私としてはその人を頼る気満々ではあったんですけれど!! 致し方無いですよね、うん!」
「で、その代わりに別の人間を頼ろう、と……」
それが僕たちだった、という訳か。
「ええ! まあ、そういうことになりますね!」
そういうことになりますね、って。
それはどうかと思うんだけれど!
というか、される側の気持ちも考えて貰いたいぐらいだ。
「……もしかして、嫌でしたか?」
「いや、そういうことよりもだね……」
この人にはもっと学んで欲しいことがあると僕は思った。例えば自主性とか。
「……まあ、私としてはさっさと事件を解決したいんですよ。ここに殺人犯がいようがいまいが関係ない。もしここの調査が失敗に終わっても仕方ないことだと思っています。それくらいに、面倒な案件だということをご理解いただければ」
【僕と彼女の不思議な日常の最新記事】